アメリカ合衆国の作家
・フォークナー
難解であっても、そこに秘められた奥義があれば、読者は感じるところがあり、その秘められたものは何であるかと、追求するものであろうか。
賢明な読者は、それ故、この小説に意味を見出したのであろう。
2章の主人公・クエンティン。どこかで出会ったような人物。
『8月の光』だろうか、それとも、ラスコーリニコフ?
クエンティンと妹・キャディ。
兄妹がここまで踏み込んで会話する。あるいは心を探る。
キャディが18歳で処女を喪失した相手の男を、クエンティンは橋の所で殴ろうとしたが、反対に殴られて血だらけになってしまった。
クエンティンは妹思いの純な心の持ち主だったのだろう。それ故に、ハーヴァードに入学しても、運命のあるものを感じて自ら命を絶った。
コンプソン家。4人の兄弟。
末のベンジーは知的障害者だったが、不憫を感じる一方で愛を感じている家族。
そのベンジー(ベンジャミン)を主人公にして、フォークナーは第1章を描いている。
知的障害にもそれぞれの個性があるだろうが、ベンジーは過去と現在の区別がつかなかったのだろうか?
過去と現在を目まぐるしく行き来し、章ごと主人公を変えて創作に挑んだ実験小説。
これは各読者が自らの感性で受け取ってゆく課題なんだろう、と思っている・・
◆ウィリアム・カスバート・フォークナー( 本名は、Falkner)
1897年9月25日~1962年7月6日。アメリカ合衆国の小説家。
ヘミングウェイと並ぶ20世紀アメリカ文学を代表する作家。
代表作:
『響きと怒り』『サンクチュアリ』『八月の光』『アブサロム、アブサロム!』など。
1949年度ノーベル文学賞受賞。
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